誘拐犯は…神様だったのです!




「……凜」


「う…っ」


長く少しゴツゴツとした綺麗な手


な、なんか…触り方もいつも以上に厭らしくて


時折、身体がビクリと反応してしまうと不意に紫音さんは真剣な瞳で私を見つめる



「海鈴にも、こうやって触られたか」


「…う…え、…は、はぃ?」



突然、変な雰囲気だったのを一転させるような言葉に私は反らしていた顔を紫音さんに向ける



「あの時、二人の会話が少し聞こえた」


「…………え?」


会話って、まさかグレンさんとの会話を?う、うそ…聞かれていたの?



目を大きく開き、紫音さんをみると少し切なそうに細まる


「昔からの友人に、堂々と夜会で口説かれて、顔が赤くなってた」


「………っ」


「あの顔は私より、海鈴の方が…好きなのか?私といるより、海鈴のほうがいいのか?」


「………」


首を傾げ、まるで子犬のように聞く紫音さん



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