誘拐犯は…神様だったのです!




「…!っ」



背中のファスナーに手をあてがりジィと言う音に私は慌てて紫音さんの胸に手を当てる


「ま、待って…く、下さ…い」


「待てない」

「で、でも、誰か来たら…っ」


「皆まだ夜会にいる、誰も来ないさ」


「あ…うっ」



た、確かに…そうだ、まだ皆夜会じゃんっ


「…大丈夫だから」


「…っ」


そうささやき、ファスナーを下げ終わるとひんやりした紫音さんの手が背中を撫でられてしまい


「……あっ」


「……」


「……!?」

し、しまった……自分の声とは思えない声に唇を塞ぎ恥ずかしさで涙を浮かべながら紫音さんを見ると


何がおかしいのかクスッと鼻で笑われる


「キスのときも思った…凜は感じやすい」


「…な」

「まぁ、そうゆうほうが…気持ちが高ぶるから嬉しい」


「……う」


「大丈夫だから、最初に言った通り、私に任せればいい」


「し…紫音、さん」


チュと瞼にキスをすると、そのまま至近距離で…そして今までで一番優しい顔で私を見つめる。


「…いいか?私のものにしても」


「……あ」


そ、そんな…そんな…聞き方は狡い


こ、断れないじゃん……



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