誘拐犯は…神様だったのです!




「紫音さんの、えっち…」


「え?…あぁ、男は皆そうさ。それは人間でも神様でも変わらない」


「………」


「だから、お預けなんて出来ない」


「………っ」

「…一回だけだから」


「……う」

「私のものに…凜」


「……う」


あ、あぁっ!も、もう…


か、覚悟を決めなくちゃいけないんだ…


ゴクリと息をのみ、今にも心臓が飛びでてしまいそうなドキドキを抑え


紫音さんに抱きつき、ギュウと背中に手を回す


「……?」


「い、一回だけ…です、よ」


「………」

「そ、それに、私は…紫音さんみたいに、そうゆう経験は…ないから…」


「……」


「や、優しく、して、下さい…っ」


は、恥ずかしいよっ


もう顔を見るのも恥ずかしく、ギュウと顔を見ないようにしがみついていれば、トントンと頭を撫でられる


「あぁ、私に任せていればいい」


「……」

「こんな風に、優しく抱くのは凜だけだから」



そう言うと、紫音さんは私の身体を引き離し胸元に顔をうめ―――…




長い夜が始まった―…


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