誘拐犯は…神様だったのです!
「出会ったばかりの頃は…ただの人間でした」
「………」
「残忍で、冷酷で、人間以外の生き物を見下して動物を自分達の都合で排除する。そしてなにより、紫音様を傷つけた人間が」
「………」
「嫌いでした…凜様を疎ましく思っていました」
「……」
「そして…その思いがあふれパルシュで凜様に…最低なこと言いました…そのハヤブサは助からないと。どうせ終わる命など見捨てろと」
「……あぁ」
紫音が頷くと、風神がグッと唇を噛みしめ自らの頬に手をそえ
その仕草をみた紫音はフッと鼻で笑う
「なんだ…その台詞を言ったら凜に手を上げられたのか?」
「…は…はい」
「はは、お前が人間に殴られるとは」
「っ…」
「正直…怒りが込み上げてきました」
「……」
「それと同時に、そのような言葉を嘘でも口にした自分が愚かに思いその場を離れました。ですが、途中で冷静になり凜様を見ていたら…必死に水の中をわたしハヤブサを助けようとしているなか」
「……」
「不思議な感覚に襲われたんです」
「あぁ」
「そしたら、自然と凜様を助けていました」
「…そうか」
「紫音様」
不意に紫音の名前を呼ぶと、紫音わ首を傾げ風神をみる
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