誘拐犯は…神様だったのです!
「もし…私が、人間…いえ、凜様を主として慕うようになったら…紫音様は…」
「かまわない。気持ちは自分自身の物だ」
「…ですが、紫音様の…翼を…その」
「風神」
そう言うと、紫音はシッと唇に手をあてゴロンと寝返りをうつ凜をみる
「………っ」
「なぁ、風神」
「…はい」
「私も、お前と同じで迷ってる」
「……え?」
「お互い、素直にならなければならないな」
「…………?」
その言葉に風神はハテナを浮かべ、それから口を発することを辞めた紫音をみつめ
静かに風神は部屋を出ていった――……
――――――…
――――…
それから、数日後―…
「…えーと…あの、凜様?…もしかして眠いのでしょうか?」
「……え?」
誰かに名前を呼ばれ、ハッと意識が戻り隣りにいるツヴァイさんを見ると心配そうに見つめる瞳と出会う
あ、し、しまった…意識がどこかに飛んでいた
「…ご、ごめんなさい」
慌てて謝り目の前にある朝食を口にするとツヴァイさんは不振な顔をして私をみる
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