誘拐犯は…神様だったのです!
「こら、グレンじゃなくて…海鈴だってば」
「………え?」
突然、頭にポンと手を置かれ振り向くとそこにはグレンさんの姿があった
「……あ」
ぐ、グレンさんだ…私の知ってるグレンさんと見た目は少し違うけれど
やっぱり、声や私をみる瞳は頭から感じるグレンさんの感覚
「…グレンさんっ」
良かった…いてくれて…帰ったんじゃなかったんだ
嬉しく、無意識にニヤリと口元が緩むとグレンさんは苦笑いをする
「だから、グレンじゃなくて…海鈴。いつになったら呼んでくれるんだい?」
「え………あ」
そ、そうか…グレンさんは、グレンさんだけどグレンさんじゃなくて
海鈴様だったんだ…
「ご、ごめんなさい…なれなくて…えっと、海鈴…様」
「え?あ~…様なんていらないよ。僕達の間にそんな礼儀はいらないから」
「え?で…でも」
「いいんだよ、凜は僕にとって特別なんだから」
そう言うと、頭を撫でられ"特別"と言うことばに胸がキュンとしてしまい
顔を赤くすると、私から手を離しニコリと笑う
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