誘拐犯は…神様だったのです!
「紫音、花嫁とこれからお話しをさせてもらうよ」
「………」
「あぁ、そうだ。もし僕に口説かれるのが心配なら、紫音も来るかい?さっきの会話聞いていたんだから、不安じゃないか?」
「……!」
なっ、か、海鈴さん!そんな挑発するようなことを!
ポーカーフェイスだけれど、彼から発するオーラはいつもと違い
それを感じた私は、海鈴さんにアイコンタクトをするもの海鈴さんはニコリと笑うばかり
あ…も、もう…ど、どうしよう
やっぱり、聞かれていたのなら、確実にまずいよ
あたふたする私とは違い、海鈴さんの言葉に数秒の沈黙をおき
私に近づくと、肩に手を回し鼻で笑う
「…結構」
「……!?」
「凜は私を好いているのだから、不安になどならない」
「へぇ、それは強がり?それとも、雰囲気は苛ついてるくせに本心を出したくないって言うお前のプライド?」
「…………」
「紫音、自信があるのはいいかもしれないけど僕にとっても凜は大切な女の子なんだ。だから後から来た君に簡単にはあげたくない」
ニコニコと笑顔で言う海鈴さんなのに、どこか話し方が黒く感じ
ゴクリと息を飲むと、紫音さんは視線を海鈴さんに向けたまま口を開く
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