誘拐犯は…神様だったのです!



「え?別に慌ててなんか…っ」


「つーか、まるで俺と紫音様をここから追い出したいような言い方だな」


「そ、そんなことないですよ!」


「そうか?目が泳いでる」


「……う」

と、トールさん…突っ込まないでよ


こうゆう時だけ、鋭いんだから!


「トール、いい…早く行かなくちゃいけないのは事実だから」


「……え?」


「なら、凜…私は出掛けるから、海鈴の相手…頼んだ」


「あ、はい。それは、もちろんです」


あれ、なんかあっさりしてる…


少し不信感が私を襲い、紫音さんの様子を伺っていると


「なら、早くいつものをしないか」


「………?」


ん?いつもの?……いつものって、まさか…


「あ、いや…皆さんいますから…っ」


「いつもすると約束した」


それは、したけど!


そう、紫音さんは前に約束した通りキスをしろと言うのだ


確かにあれから、出掛けるときや帰って来たらしてるけれど


それはほとんど二人きりだからだし…


海鈴さんも、ツヴァイさんも、トールさんもいるなかで、そんなことは恥ずかしい



「あの、きょ…今日は、な、なしで…」


抱かれてる腕から離れようとするけれど


やはり、紫音さんの力には逆らうことが出来なく身動きは取れない



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