誘拐犯は…神様だったのです!
思惑
――――――…
――――…
大きく欠けた翼
それは以前、パルシュで見たことがある
人間によって、負わされたものだと……
彼らはそれを恨み、人間に危害を加え"愚罪の子"と呼ばれている
そこには、それぞれの思いがあり、とても切ない事実
そして、今、わたしの目に映る紫音さんは…彼らと同じ翼
「……そん…な」
「…………」
うそ、まさか…紫音さんの翼も…
その時、様々な言葉が頭をよぎる。
フウさんやパルシュの彼らが紫音さんを被害者だと言っていたこと
フウさんが、人間を嫌う理由…人間が嫌いな神がこの世界に多い理由
その全部が繋がった。そうか………
紫音さんの翼が……人間によって…傷ついたから…っ
「………っ」
ポロっとその痛々しい翼に涙が零れてしまい、何も言えない私に紫音さんは苦笑いをする
「この翼は…人間にやられてしまった」
「………あっ」
「その時は、人間界に迷い混んだ仲間の救出の任務だったんだ」
「…………っ」
「あいにく…その任務のため人間界に行った時、季節は冬で探しにくい密林の中を必死に探していた時に、私はある人間達と出合った」
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