誘拐犯は…神様だったのです!




う、海鈴さんにはかなわない。海鈴さんは昔しからそうだ。私のどんな小さな変化にも気付いてくれる


熱があるときも、悲しい事があった時も、私の気持ちを察してくれた


けれど、今回は知られたくない…知られたら海鈴さんはきっと紫音さんを怒るだろう


そんなのは…堪えられない



「ねぇ、凜?紫音になにをされた?」

「………」

「こんな目になるまで泣いたのかい?」

「………」

「凜…」


言葉を閉ざし、笑うことも誤魔化すこともしない


ただ、そのブルーの瞳を見つめていると海鈴さんはため息をはきながら瞼から手をはなしそのまま頭を撫でる


「わかったよ」


「………っ」

「うるしでかぶれた…そうゆうことにしておくよ」


「…海鈴さん」


「なーんて」

「?」

「今日の僕はそんなに甘くないよ」

「え?…って、きゃ」


突然、身体が勢いよく持ち上げられ脚が床から浮く


な、なにを…!?

肩に担ぐような体勢で脚をしっかりと海鈴さんは抑えてる


「海鈴さん!」

「しっ、静かに」


「…」

私の唇に人差し指をあて、私に笑顔を向ける


「ねぇ、凜」

「…はい」

「ごめんね、君を今から誘拐する」


「え?」


ゆ、誘拐?



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