誘拐犯は…神様だったのです!
恋い焦がれて
―――――――…
――――…
「あ…えっと…だから、ごめんな…」
「………」
「言い訳かもしれないけれど…あれが一番いい手段だったんだ…」
「…………」
「…おこってる?」
「……………はい」
「…………」
あれから、海鈴さんに担がれて屋敷のバルコニーから飛び降りた私は…
人生が終わったと思うほどの恐怖を味わった
身体が落ちていき、気持ち悪い感覚につい気を失ってしまってしまい目を覚ました時には海鈴さんの世界である深界にいて…すでに1日が経過していたらしい
目が覚め、海鈴さんが来てくれたのだけれど、彼をみたら
昨日のことを思いだし、突然、飛び降りたことの怒りが込み上げてきて海鈴さんの顔をみることをしなかった
それを相当怒ってると思ったんだろう
紫音さんはさっきから私の様子を伺いながら必死に話している
「本当に、本当に悪かった。それに、あぁでもしないと凜は素直に誘拐されなかったじゃないか」
「当たり前ですよ…っ」
どこに素直に誘拐される人がいるのよ…
「…………もう」
私は、紫音さんのことで精一杯なのに…こんな所に来てる場合じゃないよ
どうすればいいの…本当に。
ため息をはきながらうなだれる私に、海鈴さんはそっと私の首に手を回しそのまま抱きしめられる
・