誘拐犯は…神様だったのです！

「…海鈴さん」


「まぁ、僕の失恋は決定として、実際の所…紫音のどこが好きなのかな？」


「………」

どこが、好きって……


「えーと、それは…」


「それは？」


頬杖をついて、私を見下ろす海鈴さん


「…う」


そんなの、海鈴さんに話すのは恥ずかしく顔を赤くすると、彼はため息をはく



「あー…その反応だけでごちそうさま…」


「………っ」


「やっぱり、悔しいな…」

「え？」


「なんでもないよ。それより、これからどうする？誘拐したのはいいけど…やっぱり紫音の所に戻りたい？」


「………」


それは………


「正直に言うと、これからどうやって紫音さんと向き合えばいいかわからないです」


「………」


「お母様やツヴァイさんに言われ正面から向き合って、こんな状態……って」


あ……！


「そうだ、わたし…紫音さんと何があったか話してないですよね？」


こんな状態なんて言っても分かるはずないか



えーと、なにから説明しようか…そう考えてると海鈴さんはニコッと笑う



「大丈夫だよ。だいたいは予想できるから。大まかに言えば、紫音さんが一方的に君を拒否し、それが納得いかなくて迫ったけれど、紫音の過去を打ち明けられ、再度拒否られたって感じかな」


「……」


！？


なんで、分かるの…


しかも、かなり当たっていて唖然とすると海鈴さんは頬から手を離す



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