誘拐犯は…神様だったのです!




かなり派手に転んだせいで、グレンくんは大泣きをしまいなんとかなだめ泣き止んだもの


目は真っ赤で、今にも涙が出そうなくらい



「ごめんね、グレンくん」


「うっ…グスッ…え?」


「私がちゃんと見てなかったからこんなことになって」


グレンくんと散歩をしてるとき、つい綺麗な水に気をとられてしまい


グレンくんから目を離したすきに起きたこと


だから、私の責任でもある


「そんな、お姉様が謝らないでよっ…僕がいけないんだからっ」


「でも…」


「いいのっ!お兄様が言うんだよ!女の人に、悲しい顔をさせるのは、さいてーだって!だから、そんな顔しちゃダメ!」


「…グレンくん」


「それよりっ…グスッ…僕、疲れちゃったから…眠る」


「あ、そっか。わかった」


グレンくんはそのまま部屋にあるベッドに横になり、そっと布団をかけるとニコリと笑う


「ふふ!」

「ん?どうしたの?」


「僕ね、お姉様のこと大好き」


「…え?ふふ、ありがとう」


「うん、お姉様は…僕に優しいもん」


「………」


「僕…に、優しい、の…皆と違って…だから、大…す……」


「………」



大好き、そう最後まで言わないうちにグレンくんは可愛いらしい寝息をたて眠ってしまった




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