誘拐犯は…神様だったのです!



それに形見だって、今まで大切に肌身離さずもっていたけれど


紫音さんなら、きっと大切にしてくれるから



「ねぇ…凜」


「はい?」

「その鍵の先に、何があるって知ってて言ってるのかい?」


「…え?あ…いえ…」


紫音さんは、私にしかこれを使えないから花嫁にしたのに、使う気配はなかったし


あ…でも、それだったらあげる意味がないのかな…


で、でも…私が持ってるのは辛い



「…そうか、紫音、凜に秘密ばかりだね」


「あ…はは」


うん、そうだね。秘密ばかり…それでいて掴みにくいから厄介


「あ、あの…それで、お願い聞いてくれますか?」


海鈴さんに近づきネックレスを差し出すと、海鈴さんはそれを暫く眺めたあと


ため息をはきながら受けとる


「わかった」


「ありがとうございます」


「けど………本当にいいのかい?きっと後悔するよ」


「…大丈夫…です。もう、決心しましたから…これでいいんです」



ネックレスも、紫音さんのことも、これでいい



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