誘拐犯は…神様だったのです!





「ん…あれ?」


「………?」


鼻をクンクンと動かしながら、抱き付いたまま匂いをかぐとグレンくんは私から離れ傍の小鳥を見るとパアッと笑顔になる



「あ!小鳥だぁ!」


「あ、うん。今ねエサをあげてたんだよ」


「そうなんだっ!可愛いっ!」


「でしょ?とてもいい子達なんだよ」


私の肩に乗っている小鳥を手に乗せグレンくんに近づけるとそのままチョコンとグレンくんの頭に乗る



「す、凄い!僕、本物の小鳥なんて初めてみた」


「そうなの?」


深界に小鳥はいないのかな?


「うん、小鳥さんは空界にしかいないよ?そうゆう掟だもん」


あぁ、そうか…そうだよね


「じゃあ、見れて良かったね」


「うん、あれ…でもなんで小鳥さんがここにいるんだろう…本当ならね、小鳥達はこの世界には来ないんだよ?…誰かが連れて来たのかな?」


「…………」


「しかも、お姉様になついてるみたいだし…ん~…」


あ、まずい……


子供なのに察しのいい疑問


フウさんとトールさんのことを知られるわけにはいかない


「えー…えっとね、その…これは…」


どうしよう、なんて言えばいいんだろう


答え困り、私はつい黙ってしまうとグレンくんはそんな私をみながらニコリと笑う



「ごめんなさい、お姉様」


「…え」


「僕、お姉様が内緒にしたいことは黙っておくよ!とくにお兄様には」


「…あ……」


はは、グレンくん…なんて気がきくんだろう



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