誘拐犯は…神様だったのです!
思い
――――――…
――――…
その頃――…
「…紫音様、いい加減、お休みくださいませ」
「…」
「全く…もう、いったい何日寝てないと思ってるのですか?」
「………」
その頃、違う界にて二人の男がいた
一人の男はただ黙々と束ねられた紙に目を通し、それをみながらもう1人は呆れた顔で彼をみる
「紫音様、色々なことを考えたくない気持ちは分かりますが、この約1週間、寝てないんですよ?」
「寝てなくはない…少しは寝ている」
「少しだけです。1時間も寝ていません」
「…………」
「しかも、ご自分の部屋ではなく庭で寝たりここで寝たり、親衛隊の皆は不振がってますよ」
「…………」
「一度、部屋に戻り、1日お眠りください」
「それは聞けない」
即答で答える紫音に男はため息をはく
「それは、部屋にいけば凜様を思いだすからですか?」
「…………」
「凜様を思いだすから、部屋に行かないのでしょう」
「…ツヴァイ」
バンッと用紙を机になげ、紫音はツヴァイをみる
「凜の名前は口にしなくていい。彼女は、もう…私とは関係ない」
「関係ないなら、なぜ部屋に行かないのですか?凜様の面影が残っていて、それを感じたくないのでは?」
「……………」
「……紫音様」
「………」
「私は、紫音様が凜様を手離すのに文句は御座いません。主の決定に従います」
「………なら」
「ですが、本当にそれで宜しいのですか?」
その言葉に紫音は眉を寄せる
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