誘拐犯は…神様だったのです!
「…ツヴァイ」
「…………」
「少し、1人にして欲しい」
「…紫音様」
「頼む」
「……………」
「………」
「…はぁと…わかりました」
「………」
「私は少し別の執務に行きます」
「…あぁ」
「では、失礼致しました」
ガチャンとドアをしめ、1人になった紫音は額から手をはなし
今までになく、深いため息をこぼす
「……凜」
そして、考えるのはやはり凜のこと
きっと、紫音自身もどうしたらいいのかわからないんだろう
凜を、凜を自分の都合で傷付け、もてあそび、捨てた
凜といると、自分が自分でなくなる。人間を嫌いだと隠してる自分が怖い
人間の凜を傍におくのが怖い
何もかもが、紫音は怖いのだ。
王と言う立場で、沢山のことを我慢してきた
無防備な姿、独占欲、人間に対する思い
それを隠して来たのに、凜といると…それを全て出してしまう
ただの、利用出来る人間を好きになったのは
紫音にとって、こんなに苦しむなんて本人も分からなかった……
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