誘拐犯は…神様だったのです!
「良かった。倒れた時と違い随分と顔色がいいね」
「あ、はい。迷惑をかけてすみませんでした」
頭を下げれば海鈴さんは部屋にはいり、近くにいたメイドさんは彼の姿をみると頭をさげ何も言わずに部屋を出ていく
「いいよ。凜が倒れたってグレンが泣きながら来た時はビックリしたけどね」
「あ、はは」
そうだ。グレンくんにも心配かけたんだ。明日にでもお礼を言おう
「ところで、そんな体調なんだから、帰るのは明日ではなくせめて1日伸ばさないか?」
「………」
ベッドに座り、そのキレイなブルーの瞳で私をみる
「その…男の僕には分からないから、何とも言えないけれど、メイド達が2日や3日は大人しくしていた方が楽だと言うから」
「あー…でも」
「駄目だよ。そうしよう。何かあったら心配だしね」
そんな、これは…病気じゃないし…なんか引け目を感じる
でも、まぁ……痛いのは事実だから甘えようかな
「じゃあ、あと2日だけ…お世話になっていいですか?」
「あぁ、構わないよ」
「ありがとうございます」
「うん…あー…でもさ、別の意味でも心配したんだ」
「…え?」
ゆっくり私に向かって手を伸ばし頬を触りそのまま私の髪の毛をクルクルといじる
「いや…もしかしたら…紫音の子がいるのかも…って」
「………え
「もし、そうだったら…諦めたけれど、妬けるなって」
「………」
な、な、なにを…
私のお腹に、紫音さんの子がいるって思ったの??
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