誘拐犯は…神様だったのです!
「は、はは…いやだ…そんなの絶対にないですよ」
「そうかな?その可能性はあると思うけど?」
「………」
ま、まぁ…確かにそうだけど…今回の体調不良はそうじゃなくて良かった
だって、もしそうなら…どうしたらいいか分からなくなってたもん
今以上に悩み、紫音さんには内緒で1人で育てたかもしれない
だから、そうじゃなくて良かった
「まぁ、取り敢えずは僕の思い過ごしで安心したけれど」
「……は、はい」
「あ、それで、今は落ち着いたみたいだけど、メイドは波があるって言うから…また具合が悪くなったら言って」
「はい、ありがとうございます」
髪から手を話すと、海鈴さんは立ち上がり私の頭を撫でる
「じゃあ、僕はまだ仕事があるから戻るよ」
「…わかりました」
「また、朝に見にくるから」
「はい」
私が頷くと、海鈴さんはニコリと笑いそのまま部屋を出て行ってしまった
「………………」
海鈴さんもわざわざ心配して見に来てくれたんだね
わたしも、まさかこんなことになるなんて予想外
身体はだるいけれど、この日が来て良かった
「……はぁっ」
なんて、起きてたらまたなんかクラクラしてきちゃった
はやく、横になろう。明日には良くなるといいな
そんなことを思いながら、私は布団をかぶり
静かに眠りについたのであった――…
・