誘拐犯は…神様だったのです!






―――――…
――――…


それから、翌日の1日


私は、生理痛と言う名の悪魔に襲われほとんど横になっていた


本当に、こんな経験は初めてのことでかなり苦しんだもの、なんとか1日を過ぎたころにはすっかり治っていたのだ



倒れた日、トールさんとフウさんが来て、再度来ると言われて体調不良のなか、気にはしていたけれど、なぜだか来なかった




そして、時間は流れ明日…人間界に帰ることを決めた今日の夜



最後に、海鈴さんと屋敷のバルコニーで二人で話をしていた






「はぁっ…なんか、半月もこの世界にいたんで…この景色をみるのも最後だと思うと、少し寂しいです」



「そう。僕も、凜がいなくなるのは寂しいよ」


「あ…はは」


さりげない言葉に、顔が赤くなりそれを誤魔化すように私は景色を眺める


海鈴さんの屋敷から見える景色は一面の海のような湖


そしてその湖に月や建物が鏡のようにうつるこの景色は素晴らしいと思う


「…………」

「………」



「…あの…海鈴さん」


「ん?どうしたんだい」


「改めて、言いたいんですけど…本当に、本当に今までありがとうございました」


「………」


「海鈴さんがいなかったら、私は…今どうなってたか想像出来ません」


「…うん」

「本当に、わたし…海鈴さんに出逢えて良かったって思ってます」


「僕もだよ」


「えー…本当ですか?私ってば、迷惑ばかりかけてましたよ」


「はは、そうだね。人間界にいた時も今も、僕は凜に振り回されてばっかりだ」


クスクスと笑い、海鈴さんは手すりに背中をむけ寄りかかる



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