誘拐犯は…神様だったのです!
でも、でもね………
今、紫音さんに抱かれて思うのは……
「わたし、全部の初めてが紫音さんで良かったです」
「…………」
「おばあちゃんの孫で良かった。紫音さんに出会えたから…いまだに何か分からないですし…紫音さんが話てくれるまで聞きませんけど、あのネックレスを持っていて良かった」
「…………」
「紫音さん、ありがとう」
紫音さん…本当にありがとう……
おばあちゃんが言う通り、私は幸せを見つめたよ…
「…凜…」
「紫音さん……」
私たちは、出会いから最後の最後まで普通の恋愛ではなかった
沢山の出来事があり、沢山の感情がぶつかった
それで、離れてお互いの存在の大きさに気づくことが出来たんだ
おもい返せば、泣いたことは多いけれど
紫音さんも、ツヴァイさんも、お母様も、フウさんやトールさんも
みんな…みんな、私を受け入れてくれた
本当にありがとう
そして、空界の隠された人間界との因縁は、まだ…変わらずにある
その因縁に隠された事実に、いつか私はぶつかりたいと思う
だって、おばあちゃんの願いだったんだもん
私の幸せを願ってくれた、おばあちゃんのために……
不安だけれど、頑張れる
だって、私には暖かい温もりをくれる紫音さんがいるから
だから、大丈夫
うん……大丈夫……だよ
紫音さんがいるかぎり、私は一人じゃないから
大好きな、大好きな…紫音さんがいるから…大丈夫
そうおもい、私たちは深い眠りについていった――――――………
Fin
あとがき、あり
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