誘拐犯は…神様だったのです!
「………っ」
う、そ…
初めての感覚に腰を抜かしたかは定かではない
だけど、抱き締められたことや捕まると怯えたせいで脚に力が入らないのは確かで…
ど、どうしよう……
部屋に戻らなくちゃいけないのに…これではいけなくて
また睨まれてしまう…
ビクリと身体を震わせながら、彼を見ると動かない私に眉間にシワを寄せる
「………」
無言の圧力に、返す言葉が見つからなくて…
「そ…の」
今にも消えそうな声で呟くと、彼は壁から背を離し口を開く
「…立てないのか」
「…え?」
「黙ってたら、なにもわからない」
呟くように言い、組んでいた手をほどくとそのまま私の手を引き―…
「…ちょっ」
背中を向けられたと思うと、そのまま私の身体は彼の背中におんぶをするように乗っかる
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