誘拐犯は…神様だったのです!
彼が歩く度に身体が少し揺れ、フワリと長く綺麗な髪の毛からとても良い香り
そして、だんだんと部屋までの距離が近付いていく
そんな規則正しいリズムに揺られながら背中に身を寄せていると…
「紫音様!」
「?」
前方からツヴァイさんの慌てた声が聞こえ、二人で彼を見ると少し青い顔をしながら近寄ってくる
「ツヴァイ?どうした…そんな顔をして」
立ち止まりながら、肩で息をするツヴァイさんに言うと彼は口を開く
「い、いえ、それが…大変申し上げにくいのですが…凜様が部屋からいなくなって…って、凜様!?」
「…あ」
紫音さんの背中にいる私を見るなり、瞳を大きくしながら交互に私達をみる
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