誘拐犯は…神様だったのです!




「人間界では伝説や空想動物とされていますが、我々の世界では存在するのです」


「…………」

す、凄い…唖然と首を縦にふるとツヴァイさんは再び空になりそうなティーカップに紅茶をそそぐ


「そして、紫音様はまた特別なのです」

「特別?」

「はい、先ほど名誉ある翼だと言いましたよね?」


「はい」

「あの黒き翼を持つのは、王の証です」

「王?」

「はい。紫音様はこの空界を率いる我々神の頂点に君臨する王です。そして凜様は我々の我が君、王…紫音様の花嫁です」

「…………」


え………そ、そ、それって…


カップを持つ手がわずかに震え、カタカタと受け皿が揺れる


「わたし、勝手に王様の花嫁になっちゃったんですか!?」


そんなの聞いてない!ただの神様としか思っていなくて


まさか、王様だなんて…信じられない



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