誘拐犯は…神様だったのです!
口をパクパクとさせる私とは違い、ツヴァイさんはさも当然!と言った顔で私をみる
「先ほども嫌がっていましたが、ご不満ですか?」
「ご、ご不満ですよ!」
神様の存在やそれが動物の血を引くのはよくわかった
もう完全にそれは信じてる、けれど…
「あ、あの…私…やっぱり花嫁になるのは困ります…しかも相手が王様だなんて」
人間界なら玉の輿とかで普通の女の子なら嬉しいのかもしれない
けれど、ここにいるのは人間じゃなく神様
何もかも違う彼らの花嫁なんて私には出来ないし、なる気もない
「申し訳ないですが、凜様はもうすでに花嫁としての契約はなさっているので今更それを破棄することは出来ません」
「………え?」
契約?なんのこと?
聞きなれない話しに唖然としてしまう
「私…そんな契約なんか…」
「しましたよ」
「い、いつ…ですか?」
「あの日、満月の下での口付けは花嫁になることを互いに同意したこととなり、それが契約になります」
「………」
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