誘拐犯は…神様だったのです!




あり得ない、あり得ない


たったそれだけの理由で?勝手に?


ついイラッとしてしまい、軽くツヴァイさんを睨むと彼は苦笑いをする



「そんな睨まないで下さい」


「…………」

「仕方がなかったことなのです」

「…だからって」

「わかっています。凜様が言いたいことは。ですから、永久的に花嫁でいろとは言いません」


「…え?」


そうなの?

「じゃあ、いったいいつまで?」


「それは、凜様次第です」

「私次第?」

「はい。紫音様の花嫁として暫く私達以外に嘘をついて貰うこと、そして鍵を使い時期がくるまで部屋を開けることです」


「これも契約ですよ?私が言うことを実行してくだされば、必ず人間界に帰すと約束します。これは私だけでなく、紫音様もそう言っています」



それじゃあ…私が花嫁としてこの世界の人達に嘘を付いて


その部屋を開けていれば、帰れるの?



< 78 / 616 >

この作品をシェア

pagetop