誘拐犯は…神様だったのです!




ずっと、ここにいなくて良いの?


それなら、無理して逃げるより言うことを聞けば帰してくれる


だから…


「わかり…ました」


イヤだよ。凄く、利用されてるみたいで


だけど、一生花嫁でいるよりずっといい


おばあちゃん…ごめんね。当分の間、会えないけど…


わたし…帰るために頑張る


だから、見守っていて下さい


そう意気込み、ツヴァイさんを見ると彼は丁寧に頭を下げ膝をつきながら胸に手を当てる



「では、契約成立です」


「…………はい」


「では改めて、ようこそ…我らの世界に…歓迎致します…花嫁様」



そんな彼をみながら、私はそっとため息をはいた―――……







この時は、ただ帰りたい


そんな思いで結んだ契約



それが、甘く、切ない、悪魔の契約だと



私は想像もしなかった















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