誘拐犯は…神様だったのです!




「…………」


そんな後ろ姿を、なんとなく呆然と見つめていると

「…!」


突然、そっと紫音さんに手を握られそのまま軽く引かれる


「…ぇ」


「私達も行こう…母上を長く待たせるわけには行かない」


あ…そ、そうだよね…


「わ、分かりました…」


そう頷き、ツヴァイさんに貰ったポピーをそっと服にしまうと紫音さんが僅かに眉を潜める


「それ、ツヴァイか?」


「え?」

「花」


あ、あぁ…この花のこと?


「そう、です…」


味方になってくれるって言いながらくれた花だ


紫音さんには内緒の約束…だけど…

「…?」

「……」



そう言ったきり、ジーと花をしまった場所を見つめる



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