恋と上司の甘い相関関係
「だが、相川と結城には一つだけ大きな違いがある」


「……違い?」



あたしは姿の見えない部長に、結城さんと同じことを心の中で問い掛ける。



「結城は売る側、相川は買う側の立場になって考えてるってことだ。

今どんなものが求められているか、どんなものがあったら買いたいと思うか…
それをしっかり考慮しているのは相川なんだよ」


「──っ…!」


「俺はあいつの案に賭けてみたいんだ」



部長──…



彼の言葉に、あたしの心が奮えるのがはっきりと分かった。


自分の考えが初めて認めてもらえた気がして、小さな感動を感じていたんだ。


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