恋と上司の甘い相関関係
下唇を噛んでいた結城さんは、一つため息をつくと


「……わかったわよ」


と、渋々納得したようにボソッと呟いた。



あたしもこんなとこで盗み聞きしてる場合じゃないよね…。


気を取り直して仕事に戻ろうとした、その時。



「でも、あなたにしては珍しく相川さんのこと可愛がってるわよね」



──え?


なんだか意味深な結城さんの言葉にぴくりと反応して、あたしはまた足を止めてしまった。



「そんなふうに見えるか?」


「えぇ。あたしの目を侮らないでよね」



“くだらない”とでも言うように鼻で笑う部長と、鋭い視線を向ける結城さん。


何…?この展開──…


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