恋と上司の甘い相関関係
素肌にセーターの毛糸が当たってるような不快感を感じながらも、忙しなく日々は過ぎていき──
あたしはスイーツの件もあって、部長と一緒に行動を共にすることが多くなっていた。
この地域もいつの間にか梅雨入りしていたけれど、ありがたいことに(?)憂鬱になる暇もないくらいだ。
「あ〜今日はラッキーだなぁ♪」
「お前が憂鬱になる時なんて滅多にないだろ…」
「んっ?何か言いました?」
洋菓子工房『ル・リアン』に澤村部長と打ち合わせをしに来ている今。
店長の平岡さんが出してくれた小さなティラミスを一口食べて、部長のイヤミなんて聞こえないくらいあたしの脳内はお花畑が広がっていた。