恋と上司の甘い相関関係

「じゃあ次の打ち合わせまでにサンプル頼んでおくから、納品したら俺に伝えてくれ」


「はい。わかりました」



本社に着くと、あたし達は今日のことを確認し合いながら事務所に向かった。



「さて、もう一頑張りするか……ってお前…」


「へっ?何ですか?」



事務所のドアを開く寸前に、部長があたしを見て急に立ち止まる。


何かと思って見上げると、彼はあたしを真剣な表情で見つめながら、ふいに右手を伸ばしてきた。


そして、その長い指はあたしの唇をそっとなぞる。



「──っ!?」



無意識に肩がビクッと震えた。


なっ…何!?突然……!?



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