恋と上司の甘い相関関係
今度は別の緊張で体を強ばらせていると、結城さんはカツカツとパンプスの音を響かせて近付いてくる。



「そんなとこにいられると邪魔なんだけど」


「あ…ハイっ!すみません!!」



恐れおののいたあたしは滑舌良く謝ると、ピシッと姿勢を正して事務所のドアの前からサッと退いた。


うわぁ……

美人さんに睨まれるのってかなり迫力ある…!!



結城さんはあたしと視線を交差させると、くるんとカールした毛先をなびかせながらツカツカと事務所へ入っていく。


よかった…とりあえず何も言われなくて…。


彼女の後ろ姿を見ながら、あたしはまた盛大に息を吐いた。


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