恋と上司の甘い相関関係
あたしは昨日、結城さんから数が書かれた表を渡された。


もしかしたらそれ自体が間違っていたんじゃないか、とも思ったけれど…

人の記憶なんて曖昧だし、自分が正しいという思い込みに過ぎないかもしれない。


それに、これ以上この綺麗な顔を怒りで歪めたくなくなかったから──

あたしはただひたすら謝ったのだった。



「雅ちゃんにしては珍しいね?そんなミスするなんて…」


千葉ちゃんが驚いた表情をしながら言う。



「んー…あたしも正確に伝えたつもりだったんだけど…」


「まぁ、誰にでも小さなミスはあるから仕方ないよ。次気を付ければいいって!」



あたしの背中を優しくポンッと叩いて元気づけてくれる千葉ちゃんに、あたしも少し微笑んで頷いた。



< 130 / 371 >

この作品をシェア

pagetop