恋と上司の甘い相関関係
「需要が少ないから普段は扱ってないけど、父に頼めばサンプルくらいは取り寄せられるはずです」


「打ち合わせまでに間に合うのか?」


「えぇ。明後日の朝一で私が持ってくればいいでしょう?」



今の私達にとって、結城さんの言葉はまさに神の声。


なんだか上手く行き過ぎてる気もするけど…
でも今はその提案にすがるしかない。



「…わかった。結城には悪いが頼むよ」


「いいえ、少しでもお役に立ちたいので。
そのリストを見せてください」



為す術もなく呆然と二人のやり取りを目に映していたあたしに、顔を向けた部長はこう言い放った。



「相川はもういい。今はお前に出来ることは何もない」



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