恋と上司の甘い相関関係
誰かがこの事務所に向かって歩いてくる。

…けど、今度は幽霊なんかじゃない。


人の話し声と、複数の足音がはっきり聞こえる。


こんな時間に誰…?



不審に思うのも束の間、勢いよく扉が開かれてその人物が姿を現す。


目に飛び込んできた人に、驚きと動揺であたしの心臓はドクンと跳ねた。



「あら、相川さんだったの?」


「結城さん…!」



目を丸くしているあたしとは反対に、彼女は全く驚いた様子はない。


まるで、あたしが残業していることを予想していたかのように──…



でも、あたしが動揺している理由はそれだけじゃない。


< 147 / 371 >

この作品をシェア

pagetop