恋と上司の甘い相関関係
「遅くまでご苦労さん。気を付けて帰れよ」


「……はい」



事務所から出て扉を閉めた後、ドアに寄り掛かって深く息を吐き出す。


もう、何なのよ……。


何事もなかったかのように優しい言葉をかけられると、一人でドキドキしてたあたしがバカみたいだ。



「──ドキドキ…?」


あたしは胸に手を当てた。



──そうだ。


あんな意地悪な鬼部長サマに、不覚にもあたしはドキドキさせられてしまった。


あの人はただ面白がってからかってただけで、誰にでもあんなことしてるのかもしれないのに

あたしの心は一瞬でかき乱されてしまったんだ。


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