恋と上司の甘い相関関係
あの登山家の名言を彷彿とさせる回答に心の中でツッコミを入れながら、あたしはガックリ肩を落とした。


……ってゆーか。


なんでがっかりしてるワケ?

あたしは何を期待してたっていうの?



「もっと違う答えがよかった?」



拓海さんはあたしの心の内を見透かしたように、顔を覗き込んでいたずらっ子のように笑う。


なんかわかんないけど…とっても腹立たしい!



「っ……そんなんじゃないです!!
っていうか…拓海さんは誰にでもあんなことするんですか?」



経験値の少ないあたしにとっては、軽いキスだって大事なものなんだよ?


それをそんな理由でされたら、頭に来るのは当然だ。


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