恋と上司の甘い相関関係
優しくあたしの髪を撫でてくれる手に安心しきっていると…


「このまま寝ろ。鍵は郵便受けに入れといてやるから」


そう言って、拓海さんの手は離れていった。


温もりが逃げていくと、急に寂しくて不安になる。



…もう帰っちゃうの?


イヤだ──行かないで…



「も…少し…」


「ん?」


「もう少しだけ…いてください…」



何で今日はこんなに素直になれるのかな?




「………」



拓海さんは無言で今日貰ったカタログを手に取ると再び腰を下ろす。


そして、ベッドに背中を預けながらカタログをパラパラ捲り始めた。


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