恋と上司の甘い相関関係
疑心暗鬼になりながらも、とりあえず自分の仕事に取り掛かり始めた。


すると、結城が『あっ』と声を出して振り返る。



「ニューメリーにも新商品が入ったから、営業の方があなたと話したいと言っていたそうよ。

たぶん来週お見えになるんじゃないかしら」


「そうか、わかった」



発注先の営業マンが新商品の紹介に出向くことはよくある。


だからいつものことだと、このことに関しては全く疑わなかった。



…だが、この時に俺は気付くべきだったんだ。


このコーヒーのように苦く黒い彼女の思惑が、水面下で動き始めていたことに──…







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