恋と上司の甘い相関関係
こんな時でも思い浮かぶのは愛しいあの人──


やっぱりあたしは彼が好きなんだと思い知らされる。



「……ごめんなさい……」



思った以上に声が震える。

でもちゃんと言わないと…!



「あたし…好きな人が…!」


「…うん。知ってる」



──えっ?



予想外の言葉に、あたしはぽかーんとして顔を上げた。

平岡さんは切なげな笑みを浮かべている。



「澤村くんだろ?」


「──っ…、どうして…?」


「展示会の時、澤村くんのためにあんなに怒ってる君を見たらすぐに分かったよ」



あぁ…そっか……

確かにバレバレだよね、あれじゃ…。


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