恋と上司の甘い相関関係
「……結城」
事務所に残る人が少なくなってから、まだデスクに向かっている結城に声を掛けた。
何の思惑があってこんなことをするのか、しっかり聞き出さないといけない。
「…どうかされました?部長」
振り向いた結城は余裕の笑みを浮かべている。
これから俺が何を言おうとしているか、すでに分かっているようだ。
「話があるんだが、今いいか?」
「…えぇ、もちろん。私も話したかったのよ」
にこりと微笑みながら、カールした艶やかな髪の毛を耳に掛ける彼女。
高嶺の花と言われるだけあって確かに綺麗な女だし、惚れる男も多いが…
この笑顔の裏に黒い考えを秘めているとは誰も思わないだろうな。