恋と上司の甘い相関関係

ニューメリーと取引を始めた約4年前、結城社長からある交換条件を持ち掛けられた。


“ニューメリーの食材を優先的に安価で提供する代わりに、真理菜と婚約してほしい”と。



その当時、会社の経営は今より悪化しており、部長になって間もなかった俺も経営を立て直そうと躍起になっていた。


結城社長に頼らざるを得ない状況で、俺が断れないことを知っていてそんな契約を提示してきたのだ。



契約を交わす際、社長に『婚約してくれるのだね?』と確認されたが、俺は決して頷かなかった。


その契約を結んだということは、同時に婚約を承諾したことになるが…


結婚の話をされるたびに何かと理由をつけてはぐらかし、俺はその間にある策を練っていた。


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