恋と上司の甘い相関関係
俺の打開策は、結婚を先延ばしにした数年内に経営を立て直すことだった。


その狙い通り、食材費や管理費諸々を切り詰めた結果、経営は今も徐々に上向きになりつつある。


ニューメリーだけに頼らずともやっていけると判断した俺は、一年ほど前に契約の解消を申し出たのだった。



ただ純粋に俺のことを好きでいてくれて、婚約を喜んでいた真理菜には申し訳ないと思った。


何かと気遣ってくれた彼女に助けられたことも多く、他の社員より親しかったことも事実だから。



…だが、そこに恋愛感情は芽生えなかったんだ。


正直に何度も真理菜に伝えてきたが、彼女はそれでもいいと言って一歩も退こうとはしない。


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