恋と上司の甘い相関関係
「…あぁ、そうだよ」



これまでずっとはぐらかしてきた。

自分の気持ちにも確信が持てるまでは言うべきではないと思っていたから。


だが──


今この瞬間にもあいつが他の男に取られるかもしれないと思うと、早く奪いに行きたくて仕方がない。


もう何の躊躇いもなく言い切れるんだ。



いつからか特別な存在になっていた。


メイクも服装も適当で、部屋の掃除もしないだらしない女。


そのくせ仕事は真面目でひたむきで、

仮にも目上の人物にぶちギレるほどの恐いもの知らずのくせに、意外と泣き虫だったりする。


そんな女が──…



「俺は、相川 雅が好きだ」



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