恋と上司の甘い相関関係
──そう。


こんなに胸が苦しくて、

イライラしてドキドキして、

泣けるほど好きだと思えるのは一人しかいない。



平岡さんの問い掛けに、あたしはこくりと頷いた。



「…だったら、雅ちゃんも自分の想いを貫いた方がいいと思うよ」


「平…岡さん……」



悲しそうに、でもあたしを励ますように笑ってくれる平岡さん。


自分の好きな人の恋を応援することは、そう簡単に出来ることじゃないはずなのに…


どこまでも優しい彼に、あたしはまた涙が溢れた。



──その時。


お店の扉が開いてドアベルが激しく鳴る音と、


「雅──…!?」


聞こえるはずのない声が耳に届いた。


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