恋と上司の甘い相関関係
でも聞きたいことはたくさんあるの。


あたしは拓海さんの彼女でも何でもない、ただの部下だけど…

あなたを好きになった女の一人として聞かせてもらうわ。



「…拓海さん…」



やっとのことで喉に張りついて擦れた声を出す。



「結城さんと…婚約してるって、本当ですか…?」



信じたくなんてない。


何かの間違いなんじゃないかって思いたかったけれど──


深く吐き出されるため息に、答えを聞くまでもないと確信してしまった。



「…そんなに大事な人がいるなら…何で…!?」



思わせ振りなことをしたの?


…その言葉までは、涙を堪えて噛み締めた唇からは伝えることは出来なかった。


< 312 / 371 >

この作品をシェア

pagetop