恋と上司の甘い相関関係
視線が交差した一瞬、時間が止まったような気がした。



「だけど、俺は──」



──ピリリリリ!


「「っ……!」」



拓海さんが何かを言おうとした瞬間、見事なタイミングで携帯の着信が鳴り響いた。


はぁ…っと二人で息を吐き出す。

そしてあたし達の間に流れる微妙な空気…。



「ったく、社長かよ…」



鳴り続ける携帯のディスプレイを怠そうに見てため息をつく拓海さん。


何て言おうとしたのか気になるけど、もうそんな雰囲気でもないし……



「…どうぞ。出てください…」



あたしは心の中で“空気読めよ社長〜!”と嘆きながら、両手でどーぞどーぞと促した。


< 314 / 371 >

この作品をシェア

pagetop