恋と上司の甘い相関関係
「…この会社はね、私と旧友だった社長とで苦労して立ち上げた会社なの。

だから拓海は子供の頃から言ってたわ、『大きくなったら僕がお母さんを助けるんだ!』ってね。

まさか本当に入社するとは思わなかったけど」



昔を思い出してふふっと笑う専務は、いつもとは違う、母性愛に満ちた“母親”の顔をしていた。



「だからきっとなんとかして経営を上向きにしたかったんでしょうね。かなり迷ってたみたいだった。

でも、拓海が婚約を白紙に戻そうとしてることを知った時は…正直ホッとしたわ」



そうだよね…。

いくらお母様の大事な会社のためとは言え、それで結婚までするなんて……


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