恋と上司の甘い相関関係

あたしが椅子に座るのを待って、結城さんは静かに口を開いた。



「啓ちゃんは…私にとってすごく大事な人なの。小さい頃から仲がよかったから家族も同然で。

だけど…そんな啓ちゃんの気持ちも、私は利用しようとした」


「利用……？」


「啓ちゃんの恋を応援するフリをして、あなたと二人で会うように言ったの。
それは私と拓海との間に邪魔が入らないようにしたかったからよ」



一気に表情を曇らせた結城さんは、陰を落としたままあたしを見る。



「…私と拓海とのことは聞いた？」


専務に『秘密ね』と言われたことを思い出したけれど、結城さんなら構わないだろうとあたしは頷いた。